受け継ぐ先の見つけ方

※今回の記事は犬王のネタバレを

　含みます。読む方は予めご了承

　ください。

昨日もバタバタで更新できず、そして

昨夜新月は誕生いたしました。

水星逆行は残りあと3日ですが、今日から

新たな世界線が世の中を走り出します。

その前日、映画「犬王」を見てきました。

昨日は夕方から能のお稽古もあったので

お師匠さまともお話させていただきましたが

犬王は実在する近江申楽の能楽師で、のちに

「道阿弥」と名を変えた方です。

最も、物語はフィクションなのでしょうが。

名と呪の物語、それはまるでえみこの人生に

つながる物語にも思えました。

この物語には

①名前

②呪い

③親子の情

という３つの側面があります。

そして、伝統芸能申楽、いまの能楽の基と

なった芸能です。

4年前能を始めたのは、聲のためでした。

やがてそれは巫女の嗜みを学ぶために

変わっていき、ついにはこの作品に

たどり着いた。

人は、なんやかんや導かれていくの

だと思います。

えみこの名は、親に奪われた名ですが

どうやらそこにも意味はあったようで。

「美惠子」という名を祖母から頂いた

ことで、いまの力の継承権を得ました。

（命名は名付け親の運命を半分貰える）

そして、この鶴の一声でついた名は、

親から「みこ」と呼ばれることに繋がり

ました。

みこ、みーこ。

14歳までこう呼ばれてきた、しかし

その時間は忌まわしさの方が強かった。

やがてわたしは奏でる力を得て名を

「みぃめ」と、改めます。

呼ばれたい名前、自ら名乗った名前、

奏でるため、の、名前。

それは、犬王や琵琶法師友魚と同じ。

作中で犬王は言います、「呼ばれたい

名は、もう決めてある」と。

同じように名を師範から賜る友魚は、

亡き父の御霊に止められる。

「名を変えたら、探せなくなる」と。

名前の持つ力、そんなお話。

えみこが、えみこを名乗ったのは

2010年。

魂の名前はえみこであり、親がその名を

封じたことで受けた迷惑があることを

導師を名乗るものから聴いてから。

しかしその際、導師は最初別の名を

当てがい力を封じられてしまったのです。

やがて、名を回収したわたしは自ら

「えみこ」と名乗り、生きることを決意、

そして、現在に至ります。

犬王の中には、そんな自分の人生と、いま

抱えているとある案件の答えがありました。

同時に、わたしがこれからすべき使命も、ね。

祖母が本当は何をしていたのか、なんとなく

見えた気がしたから。

受け継いだわたしは、ただそれを繰り返して

いくだけでよいのだろうと思えたのです。

上洛して最初の生徒さんができたとき

関東の仕事仲間から「命が惜しければ

その子を離せ」と、言われたことが

ありました。

まるで死ぬ価値もない、命をかけてまで

やるようなことでもない、とでもいうような

言われよう。

でも、どうしても辞める気にならなかった。

迷って迷って迷い抜いて、わたしはその手を

取り続ける道を選びました。

昨日劇場を出てから、あれは暴挙だったな、

と、しみじみ思い。

よく死ななかったもんだ、とも、思いました。

それは同時に「もう2度とやるなよ」という

警告にも思えた。

もしやれば、もう次はないぞ、と。

わかりました、やりませんよ、というか

もうやれない身分になってしまいました。

そう答えた夜、その生徒さんのFacebookを

拝見しました。

彼女がルーツに対し、感謝の涙を流せるくらい

見えない何かを受け取ったことを知りました。

そして、諭ったのです、ああわたしのことを

あのとき守ってくれたのは、この子のルーツ

たちだったのか、と。

「我が物語を語り届けてほしい、さすれば

　必ず我が末裔には分かるはずなのだ」

と。

あれから3年、依頼は結願に向かいます、

大円団はきっと、水星逆行が明ける日。

いま、「みぃめ」の名が戻されたのは

また奏でる人になるからなのかな。

昨日のお稽古で、ちょっとそんな話が

ありました。

うん……せるへぷ、頑張ろうかな笑。

わたしの「回収物」は、どうやらだいぶ

大きいみたいです。

ね？

犬王。