上方と下方では、まったく性質が違うのです。
本日もお目通し下さり誠に有り難うございます。
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いよいよ明日は「宇宙元旦」と呼ばれる春分の日、
そこに向けてか、まぁ派手に色々入ってきておりまして。
週末二日で3本の映画を観ることになりました、しかも
昨日の休日は同じシアターの同じ席で30分の休憩を
挟んで二本映画を観る、という笑。濃かった。
一本は「シャザム」、そしてもう一本は「シン・仮面ライダー」。
どちらも「守る」について扱った映画ですが、色は違い。
どちらも言われていることがあるのですが、最も響いた
のは、シン・仮面ライダーの伝えた幸せと望み方について。
いやー、いろんな意味で脳みそフル回転な一日でございました、えぇ。
シャザムでは、神の力を得た人間がギリシャ神話の神とMTG
するシーンがあったのですが。うん、その立ち位置がまさに
えみこ的でまぁ笑ったさ笑。この感じだもの、うん。なんと申し
ますか、間違ってないんじゃん？的なアレ（いや、どうだろう）。
まぁ見えない世界の面白い担当だから、しょうがないっちゃー
しょうがない。お笑い枠での所属ですので……（劇場支配人だし）。
で、もう一方のシン・仮面ライダー。監督がエヴァの庵野さん、
仮面ライダーのメンツも、柔らかい印象の役者さんが多く、ちょっと
変わった印象でした。オーディションがあった、というのも意外。
で、この映画ではAIと人間の共存が描かれているのですが、そこは
原作石ノ森章太郎大先生。実に深いものが描かれているわけでして。
個人的に「上方で願う幸せと下方で願う幸せは違う」と知っては
いても、「その下方で願われた幸せを万人の幸福とAIが設定したら
世の中はどうなるか」ということを課題として出された気がしたのです。
ある程度の安定の中で望む幸せと、絶望の中で望んだ幸せは当然ですが
クラスがあまりに違いすぎるわけで。絶望の中で望んだ力は、その人に
何を齎すだろう、という課題でもありました。靈氣の伝授は、ときに
この「絶望の中で望まれた力」になってしまい兼ねず、そしてご神気の
一種である靈氣だからこそ、シャザムの神のように「力を返せ」と天に
言われてもやむなしなのかな、なんて思ったり。
実は最近まで、とある霊能者を騙る人の「家族」とされた人の案件を
担当していまして。その人はまさにシャザムに出てくる神様の一人と
同じように「家族だからこそ、過ちを受け入れられない」という段に
掛かっていたわけで。その霊能者自身は、その方がうちとご縁ができる
前に亡くなったらしいのですが。きっとそのことについて、あちらで
閻魔大王がバチ怒りになって、いまの流れになったのだろうなぁ、
なんてことを、ふと思ったわけです。うん、だよねー。今世の減刑の
ためにやろうとしたことの質があまりに酷すぎる。神様の怒りは、
マジでやべーってことも判んなかったのかなぁ……
（この時点でちょっとアレですよね……以下自粛）
えみこも、東日本大震災の際に家族を守れなかった絶望を味わいました。
そのときから「大切なものを守り切る」ということに異様な執着を見せては
います、けれど反対に力はまったく望まなかった。むしろ逆で、この業界から
いなくなるくらい力というものを手放したり、封印する方に舵を切った。
代わりに「守る」ということに必要だと思ったスペックを得たい、そう強く
念じながら生きてきました。そして、震災から4年が過ぎたころ、出会うのです。
どうしようもなく、愛してしまう「家族」のような仲間の存在に。
彼らがわたしに教えてくれました、「あなたは何かを愛せているうちは、まだ
大丈夫なんですよ」と。そして、このときの縁がいま仕事で担当している青少年
育成の子どもたちを大きく支えることになっています。シン・仮面ライダーを
見て思うのは、絶望の中でどんな幸せを望んだか。その幸せは本当に他者を
不幸にしないのか、ということ。無知な人が考える「幸福」が結果的にどれほど
社会を不幸にしてしまうか。そんなことを見せつけられる時間でした。
余談ですが、庵野監督という人との出会いは、実はこちらの作品。
京都に出てくる前に公開された作品ですが、ここに出てくる現在も
コミック界やエンタメ界で活躍している先生方の学生時代のお話は
本当に興味を引くものでした。そして、ここに描かれた「アンノ」と
いう人がエヴァを撮ったんだ、と知ったから最終章は観る気になった。
結局えみこが興味があるのは作品よりも人、これは20年以上前人物
専門ライターである「人書き」をしていたころから、なんら変わらない。
出会ってきた6,000人を超える人たちの一人一人がえみこを育てて下さり
上方の幸せを教えてくれたと言っても過言ではない。なにより、そんな
方たちのお役に立つために日々スキルと世界観をアップデートし続けて
いるのだなぁ、と思うのです。
仮面ライダーの中で緑川先生の娘をやった浜辺美波さんの台詞に
こんなのがありました。
「わたしは、いつも用意周到なの」
あぁ、そうだね。移住とかコロナとか、準備して動くにはあまりに
余裕がない事態が続いてすっかり忘れていた。わたしはそうやって
長く生きてきていたと言うことを。
もう一度、戻ろうか。あのころのわたしに。
だって。
上方の幸せにしか、もう興味がないのだもの、いまは。
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